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3月, 2010の投稿を表示しています

「中小製造業」X「マイクロモノづくり」X「BOP」戦略会議始まる

先日BOPのシンポジュウムで知り合いになった、東大博士課程のメンバーと日本のインターンという仕組みを創出した立役者のEITCのメンバーと初会合を行った。 博士課程の学生とはいっても、メンバーの出身は様々で、もと外資系コンサルティング出身、日本のシンクタンク出身、ETICの方も日本の大手メーカー出身などで、実務能力も高く、ばりばり仕事をこなす油が乗り切っている30代のメンバーたちばかりである。 会合の内容は、BOP(Base of the Pyramid:世界の残りの40億人)マーケットに対して、日本の中小製造業がもっているモノづくりの技術を生かした製品を、広めていくための方法としてどのような企画があり得るのかということだった。 ご承知のように、日本の製造業は非常に厳しい状態におかれている。 大手の製造業であれば、海外に工場を建て、現地の従業員を雇うことで、この円高はなんとか回避できる。 しかし体力のない中小企業に、いきなり海外へ行けといっても、それはハードルが高い上に、日本での雇用が確保出来ない。 日本の会社の99%を占める日本の中小製造業がすべて海外へ工場をシフトしたとなると、そこで失われる雇用機会の数を考えただけでもゾッとする。企業・住民税は下がりつづけ、失業者があふれ、町は荒廃するだろう。 メンバーディスカッションをしていく中で、各メンバーとも現状の日本の産業のおかれた環境に非常に危機感を感じていることがわかり、そこの部分では大いに共感した。 しかし、今回集まったメンバーは、実際にものをつくる主役の中小製造業の方々ではなく、あくまでも応援団や観客なのである。メンバーの中に主役の製造業の方がいない。そこで、このBOPに中小企業のマーケットがあるということを、製造業の方々にわかってもらうために、製造業とのネットワークの構築をを当社が提供するということになった。 日本の中小製造業の多くの方は、「BOP」という言葉さえ聞いたことが無い方がほとんどだろうと思われる。BOP世界の人口60億人のなかで世界経済の恩恵に浴している20億人の外にある、のこり40億人の市場のことである。 いま、日本の中小企業は全盛期のように、大手メーカーからの発注を期待して、雇用調整金を活用しながら従業員を確保し、なんとか経営を続けているところが多い。しかし

「中小製造業」×「大学」×「BOP」

先日、東京大学の博士課程の学生が中心で企画をした BOPシンポジウム に参加した。 ある学生が、我々 enmono 社の活動をTwitter経由で発見し、直接DMで招待をいただいたのが、きっかけだった。 シンポジウムの内容は「BOP」: Base Of the Pyramid=世界経済の外にいる貧困層40億人を、日本の技術、大学の叡智を用いてより豊かな生活をできるようにするべきだということが趣旨であった。 シンポジウムにはMITの D-lab という、ハイテク&ローテクを使って、途上国の生活を改善させるプロジェクトからの参加もあり、世界のもっとも先駆的な事例を、英語プレゼンテーションでに聞く機会に恵まれた。 恥ずかしながら、このシンポジウムに参加するまでに、BOPという言葉さえ知らなかった。 そもそも、「技術」とは人間の生活をより豊かにするために存在するものであるのであるが、現在ではそれが経済的な価値として金銭的に儲かる、儲からないで判断され、儲かる技術は世界中に広まり、また、儲からない技術は企業や大学のなかに打ち捨てられている。 しかし、「技術」の本来の持つ意味からすれば、それがより良いものであれば、世界中に広めるべきであり、それにより人々の生活を豊かにするべきものである。 「技術というものを、どうしたら現在の経済システムの外にいる40億人に対して広く普及させ、人々の生活をどうやったら豊かに出来るのか?」というのが、わたしなりに理解した「BOP」の活動であった。 現在、BOPに対して様々な活動を行っているNPOやNGOまたは個人の殆どは、その活動の原資を企業からの寄付によっている。 しかしながら、BOPへの普及がビジネス的にきちんと回りさえすれば、世界経済のパイは40億人分だけ膨れ上り、貧困層の人々の生活は、これまでより、より安全に、健康に、そして豊かになるわけである。 仮に、BOPの人々にとって絶対必要不可欠な製品を開発し、一人から1円と同じ程度の売上を上げることができれば、40億円の売上につながる。 本シンポジウムで事例として上げられていたのは、人間には生きていく上で必要不可欠な「水」の清浄化に着目した、大阪の中小製造業の「 日本ポリグル株式会社 」である。同社、では、納豆に含まれているネバネバ成分に着目し、その成分を粉末化して 水

スイス型モノづくりはこれからの日本のモノづくりのひとつのカタチ

本日、Twitter経由で知り合った、スイスの時計産業にくわしいライターの方と面談をした。 スイスの時計産業では、時計ベンチャーが、ボコボコと創業しているとのこと。 世界に中国製の安い製品が広まった反動なのだろう、富裕層はより高価なもの、価値のあるモノを求めるようになった。 有名な時計メーカの中で実力をつけた、「時計プロデューサー」たちが、独立し、そこにVCや銀行が資金を投下して、会社を立ち上げるという動きが起きているとのこと。 これこそ、まさに、当社の目指している、「 マイクロモノづくり 」である。 そのライターの方のご意見ではプロデューサーに必要な要素は、「 プロデューサーに求められる要素は三つだけ。モノが分かっていること(「知っている」ではない)、最終需要家の姿をちゃんと見ていること、そしてセルフプロデュースが上手いこと。これだけかなと思います。」ということである。 それにあえて、1つの要素を付け加えるとすると、「リスクを自ら背負う意志」だと思う。 わたしが、以前取材した「ユビタマゴ」の事例でも、窮地に追いやられた中小製造業の社長、自らが金型代金を負担し、販路を開拓するリスクを負って世に出した「ユビタマゴ」という美顔器が、大成功を収めた。 そこには、リスクを自ら負って、そのモノづくりを成功させるという、「意志」と「腑」が必要だと考えている。 スイスの時計は、時計プロデューサーがおり、そこに資本を投資する投資家がおり、モノづくりを支える高い技術をもつサプライヤーおり、そして、最後にもっとも重要なその時計を購入するユーザーがいる。 スイス型モノづくりは日本のモノづくり産業の今後をのひとつのカタチに成り得るとおもう。大量生産、大量消費の道をあきらめ、少量生産、高付加価値少量消費の道を作る。まさに マイクロモノづくり の思想だ。 しかし、日本のモノづくりと違い、スイス型モノづくりには大きなアドバンテージがある。それはすでに「スイスの時計」というブランドができあがっており、有名時計プロデューサーが新しい会社を起こし、その製品をリリースする段階で、世界中の販売エージェントが集まってくることだ。 スイスの時計産業では、すでに時計ディーラーという販売ルートが世界中にあり、製品の品質とセンスが良ければ、そのルートに乗せるだけ