先日、東京大学の博士課程の学生が中心で企画をしたBOPシンポジウムに参加した。
ある学生が、我々enmono社の活動をTwitter経由で発見し、直接DMで招待をいただいたのが、きっかけだった。
仮に、BOPの人々にとって絶対必要不可欠な製品を開発し、一人から1円と同じ程度の売上を上げることができれば、40億円の売上につながる。
本シンポジウムで事例として上げられていたのは、人間には生きていく上で必要不可欠な「水」の清浄化に着目した、大阪の中小製造業の「日本ポリグル株式会社」である。同社、では、納豆に含まれているネバネバ成分に着目し、その成分を粉末化して水中の汚れを吸着化させる技術を開発した。
同社の小田会長は自らバングラデッシュに足を運び、現地の人の目の前で水を清浄化するデモンストレーションを行い、製品のPRをしてきた。
すばらしいのは同社はバングラディシュの女性の方々を組織し、「ポリグルレディ」として現地で販売する組織をつくりあげつつあることである。
本活動により、これまで現金収入のなかったバングラデッシュの地元の女性の雇用を作り出し、経済的な自立を促し、さらに、本製品を販売し、飲み水を濾過してもらうことで地元の方々が衛生的で、健康な生活できるようになるということである。
日本の水道水はどこでもそのまま飲めるレベルまで清浄であるので、本製品の拡販は難しいが、深刻な水の汚染が問題となっている貧困国でのニーズは非常に高い。
同社の事例は一例に過ぎない、その他多くの日本の技術が貧困国から貧困と劣悪な生活環境を取り除くことに貢献できると考えられる。固定費が少ない中小企業であるからこそ、最初からそれほど大きくないマーケットに対しても斬り込んでいくことができる。これこそ、日本の中小製造業の次に開拓すべきマーケットの一つであると考える。
シンポジウムの内容は「BOP」: Base Of the Pyramid=世界経済の外にいる貧困層40億人を、日本の技術、大学の叡智を用いてより豊かな生活をできるようにするべきだということが趣旨であった。
シンポジウムにはMITのD-labという、ハイテク&ローテクを使って、途上国の生活を改善させるプロジェクトからの参加もあり、世界のもっとも先駆的な事例を、英語プレゼンテーションでに聞く機会に恵まれた。
恥ずかしながら、このシンポジウムに参加するまでに、BOPという言葉さえ知らなかった。
そもそも、「技術」とは人間の生活をより豊かにするために存在するものであるのであるが、現在ではそれが経済的な価値として金銭的に儲かる、儲からないで判断され、儲かる技術は世界中に広まり、また、儲からない技術は企業や大学のなかに打ち捨てられている。
しかし、「技術」の本来の持つ意味からすれば、それがより良いものであれば、世界中に広めるべきであり、それにより人々の生活を豊かにするべきものである。
「技術というものを、どうしたら現在の経済システムの外にいる40億人に対して広く普及させ、人々の生活をどうやったら豊かに出来るのか?」というのが、わたしなりに理解した「BOP」の活動であった。
現在、BOPに対して様々な活動を行っているNPOやNGOまたは個人の殆どは、その活動の原資を企業からの寄付によっている。
しかしながら、BOPへの普及がビジネス的にきちんと回りさえすれば、世界経済のパイは40億人分だけ膨れ上り、貧困層の人々の生活は、これまでより、より安全に、健康に、そして豊かになるわけである。
仮に、BOPの人々にとって絶対必要不可欠な製品を開発し、一人から1円と同じ程度の売上を上げることができれば、40億円の売上につながる。
本シンポジウムで事例として上げられていたのは、人間には生きていく上で必要不可欠な「水」の清浄化に着目した、大阪の中小製造業の「日本ポリグル株式会社」である。同社、では、納豆に含まれているネバネバ成分に着目し、その成分を粉末化して水中の汚れを吸着化させる技術を開発した。
同社の小田会長は自らバングラデッシュに足を運び、現地の人の目の前で水を清浄化するデモンストレーションを行い、製品のPRをしてきた。
すばらしいのは同社はバングラディシュの女性の方々を組織し、「ポリグルレディ」として現地で販売する組織をつくりあげつつあることである。
本活動により、これまで現金収入のなかったバングラデッシュの地元の女性の雇用を作り出し、経済的な自立を促し、さらに、本製品を販売し、飲み水を濾過してもらうことで地元の方々が衛生的で、健康な生活できるようになるということである。
日本の水道水はどこでもそのまま飲めるレベルまで清浄であるので、本製品の拡販は難しいが、深刻な水の汚染が問題となっている貧困国でのニーズは非常に高い。
同社の事例は一例に過ぎない、その他多くの日本の技術が貧困国から貧困と劣悪な生活環境を取り除くことに貢献できると考えられる。固定費が少ない中小企業であるからこそ、最初からそれほど大きくないマーケットに対しても斬り込んでいくことができる。これこそ、日本の中小製造業の次に開拓すべきマーケットの一つであると考える。
シンポジュウムのあとで参加者の方々との交流会があり、その場で何人かの研究者と参加者に対していかのような意見を申し上げた。
『日本の中小製造業は、内部に様々な技術シードを持っているにもかかわらず、国内大手メーカーからの発注がほそり、多量の生産設備と人員があまっています。日本の中小製造業が持つ高い技術を、BOPの方々向けに活用することができれば、経済的にも大きな果実を得ることができる上に、世のため人の為に働くという製造業の方々の意識の向上も期待できます。また、モノづくりを通じて、世界のBOPのために貢献できる製造業に、今の若者の意識を向けることができるたので、跡継ぎがいない中小製造業の後継者問題も解決できると考えています。』と。
多くの研究者の反応は、非常に好意的であった。そして、様々なディスカッションをさせていただくことができた。
そのディスカッションの中で、研究者の方は、現在の日本の製造業および中小製造業がおかれた立場を、ほとんどご存知なかったということににショックを覚えた。
そこで、学術の世界のなかのBOPと、実際のモノをつくる世界の方々の意識をつなげる必要を強く感じた。
双方の世界のブリッジになり、BOPのために日本の中小製造業の力を活かしていただくために経営者を説得することは相当にハードルが高い。
しかし、我々はこれまでのような大企業からの注文をこなしてゆくモノづくりから、中小製造業自らが最終製品をつくり、BOP市場に使ってもらうことで利益を得られるようなエコノミクスを設計していかなければ、日本の中小製造業は滅んでしまうのではという非常な危機意識を持っている。
日本に残された時間は少ない、そのなかで、どこまでブリッジになることが出来るのか、とにかく、心の声にしたがって動くしかない。アクションを起こすと気が来たと感じた。
その後、研究者の方から直接メールをいただき、日本の中小製造業の技術を活用してBOPのために貢献するプロジェクトを起こせないかとご相談をいただいた。
即座に「YES」メールを返信した。
なにか分からないが、大きなうねりが起きていることを感じる、まさに日本の開国時に起きたウネリのようなものが。日本を想う心、世界を想う心、それがエコノミクスとして回り始めたとき、次世代の日本、「ニッポンVer. 3.0」が始動すると感じる。
コメント
コメントを投稿