スキップしてメイン コンテンツに移動

社会起業家という生き方

先日、出身大学のあつまりで、社会起業家たちが集う集まりに参加してきた。

なぜ、当社が社会起業家のあつまりにお招きいただいた時は少々戸惑ったが、それにしても実に様々な方たちが参加していた。

集まりの中で様々な方が紹介される中で、この集いに参加したK先生(昔から知っているHBS出身の先生)にたいして、「社会起業家」って語源はどこからきたのですか?とたずねてみた。

「そもそもはイギリスのうんぬんかんぬん・・」
と説明をしてくださった。

そこで、ひとつの疑問を投げかけた。
松下や、京セラなど「世のため人の為」を掲げてきた企業は社会起業ではないの?

そもそも、ほぼ全ての日本企業の企業理念の中には「社会貢献」や「人類の幸福」などの言葉がはいっているはずで、そういうことを言えば、日本は社会起業天国ではないかと。

先生はそこで、お答えには困ってしまったようで、明確な答えをいただけなかった。

また、K先生は、このようにもおっしゃっていた、JALが破綻して、その破綻の原因探しをして責任をお互いになすりつけ合う大人たちが多い中で、「自分たちのことを自分たちで何とかするんじゃい!」と小さいながらも行動をおこしているこういう人達がいると思えば、まだ日本も安心だと。

その同じ会場で、Kさんという後輩に偶然で会った。
藤沢で、老人のDAYケアを支援する会社を立ち上げた人間だ。たまたま同じゼミの後輩という立場にいた彼だが、大学院在学中の10年前からその活動をおこなっている。

その当時にはまだ日本には社会起業家という言葉はなく、ボランティアに近い活動なのだなと記憶していた気がした。

その後輩と話をしたが、DAYケアやその他医療にかかわる仕事を続けて行くうちに、自分に医学的な知識がないことに限界を感じ、現在では医学部を目指して勉強中だと言う。

10年、だれの助けも借りずに一つのことを貫くには、本当に自分が何を求めているのかという心の声をきかないと継続は難しい。彼は、その自分の心の声を正直に聞いて、実践してきた。だからこそ、軸がブレないのだとおもう。

最近では巷で「社会起業家」と言う言葉が確立され、注目も集まっているようだが、本当は彼のように地道で目立たなく、自分の軸をずらさずに道を切り開いてきた先輩の存在が大きいのだと思う。

彼は後輩だが、人間としてはぼくの何倍も大きな人間だと思う。そして尊敬をしている。

10年後振り返って、enmonoもひたすら、「モノづくり創業を支援する」ことを追求しているならば、少しは彼に近づけるかもしれない。

コメント

このブログの人気の投稿

マインドフル・ビジネスについての考察(後半)その市場規模はどれくらいあるのか?

マインドフル・ビジネスについての考察(後半) その 市場規模はどれくらいあるのか?    前回のブログ「 マインドフル・ビジネスについての考察(前半) 」 の宿題で、マインドフルネスの市場規模がどの程度あるのかということを探るべく、いろいろ調査して探ってみました。  はたして、マインドフルネス市場の大きさはどの程度なのだろうか?という疑問から、海外の調査レポート など散々に検索しても、それらしき数字は出てきませんでした。  海外のWEBを探ると 、 雑誌フォーチュンのこの このような記事 や 、 NYCの関係者がまとめた MBSR ( Mindfulness-Based Stress Reduction Program ) の市場規模 などを見つけることができました 。  そもそも、未だマインドフルネス市場は立ち上がっていないのかもしれませんし、立ち上がっていない市場を予想するのは非常に難しいのだと思われます。  結果としてマインドフルネスの市場規模と明確なデータを見つけつることが出来なかったので、完全なる私的な推測で市場規模の予測をしてみようとおもいます。  まずは、マインドフルネス・ビジネスとしてどのような市場カテゴリーがあるのかということを以下にまとめてみました。 1. IoT&ものづくり  IoTとモノづくりの市場におけるマインドフルネス市場の予想を考えてみましょう。マインドフルネスのブームとともに、自宅でも坐禅や瞑想を行う方が増えてきています。  自宅の近くに禅寺があるような恵まれた方は、定期的にお寺に通い指導をしていただけば良いのだとおもいますが、そうではないメディテーターのために、IoTを用いて瞑想をアシストするような必要性が出てくるのだとおもいます。  そこで、IoT市場でも、先の取り上げた MUSE のようなマインドフルネス瞑想をアシストするような製品が登場すると思われます。マインドフルに特化したセンサーのようなバイタルセンサーなども含まれると考えれられる。この数字はあくまでも既存の市場データを参考にして、非常にざっくり算出してみました。 マインドフルデバイス MUSE 参照URL: http://www.choosemuse.com/ 自動...

「マイクロモノづくり」とガンディーの「チャルカ」思想

「マイクロモノづくり」とガンディーの「チャルカ」思想  インド建国の父であるマハトマ・ガンディー(「マハトマ」とは偉大なる魂の意味で愛称)と一緒に写っている糸車のことを「チャルカ」と言います。このチャルカは建国当時、インド国旗の中心のマークとなりました。現在のインド国旗でもその面影が見られます。 チャルカとガンディー( Wikipedia より) 建国当初のインド国旗( Wikipedia より) チャルカが国旗の中心にある。 現在のインド国旗( Wikipedia より)  当時イギリスの植民地にされていたインドは、原料の綿花を耕作し、それを輸出してイギリスから得たお金を、自分たちの輸出した綿花でつくられた布地を再びイギリスから買うことで吐き出すという状況でした。  インド人が自分たちが栽培した綿花なのに、なぜわざわざイギリスから布地を買わなければならないのか・・  ガンディーは国民がイギリスに依存する姿勢を改めるため、イギリスから布地を買うことを止め、自分たちで身につけるものは、すでに納屋にしまって数十年も経た「チャルカ」を納屋から出してきて、昔のように使い自分たちで生産した綿花を、自分たちで紡いで糸にし、それを自分たちの手でカディーという布地にして自ら身につける運動を展開することで、チャルカを独立運動のシンボルにしました。  「マイクロモノづくり」の思想も、中小企業・メイカーズが大企業の下請けとなり、そこに依存する生き方を選択するのではなく、自分がいちばんのユーザーになり、自分が欲しいものを企画・開発・生産をして、自らが販売を行うという、「独立自尊」の精神を持って事業を展開して行くという意味で、全く同じ考え方を持った運動です。  18−19世紀にイギリスから発祥した産業革命により、人々は安価に大量の製品を手に入れることができ、生活の「質」という意味では著しく向上しました。  産業革命により、大規模な生産設備に多数の労働力を集め、生産を行うために、事業家に資本を貸し付け、「利子」という新たな冨を生み出す金融ビジネスも大きく成長しました。産業の発展と、金融ビジネスの発展は車の両輪のように互いに支え合いながら成長していったのです。  正確な需要がつかめないものを、安価に販売するには、大量の材料を一度に...

「中小製造業」X「マイクロモノづくり」X「BOP」戦略会議始まる

先日BOPのシンポジュウムで知り合いになった、東大博士課程のメンバーと日本のインターンという仕組みを創出した立役者のEITCのメンバーと初会合を行った。 博士課程の学生とはいっても、メンバーの出身は様々で、もと外資系コンサルティング出身、日本のシンクタンク出身、ETICの方も日本の大手メーカー出身などで、実務能力も高く、ばりばり仕事をこなす油が乗り切っている30代のメンバーたちばかりである。 会合の内容は、BOP(Base of the Pyramid:世界の残りの40億人)マーケットに対して、日本の中小製造業がもっているモノづくりの技術を生かした製品を、広めていくための方法としてどのような企画があり得るのかということだった。 ご承知のように、日本の製造業は非常に厳しい状態におかれている。 大手の製造業であれば、海外に工場を建て、現地の従業員を雇うことで、この円高はなんとか回避できる。 しかし体力のない中小企業に、いきなり海外へ行けといっても、それはハードルが高い上に、日本での雇用が確保出来ない。 日本の会社の99%を占める日本の中小製造業がすべて海外へ工場をシフトしたとなると、そこで失われる雇用機会の数を考えただけでもゾッとする。企業・住民税は下がりつづけ、失業者があふれ、町は荒廃するだろう。 メンバーディスカッションをしていく中で、各メンバーとも現状の日本の産業のおかれた環境に非常に危機感を感じていることがわかり、そこの部分では大いに共感した。 しかし、今回集まったメンバーは、実際にものをつくる主役の中小製造業の方々ではなく、あくまでも応援団や観客なのである。メンバーの中に主役の製造業の方がいない。そこで、このBOPに中小企業のマーケットがあるということを、製造業の方々にわかってもらうために、製造業とのネットワークの構築をを当社が提供するということになった。 日本の中小製造業の多くの方は、「BOP」という言葉さえ聞いたことが無い方がほとんどだろうと思われる。BOP世界の人口60億人のなかで世界経済の恩恵に浴している20億人の外にある、のこり40億人の市場のことである。 いま、日本の中小企業は全盛期のように、大手メーカーからの発注を期待して、雇用調整金を活用しながら従業員を確保し、なんとか経営を続けているところが多い。しかし...