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「中小製造業」X「マイクロモノづくり」X「BOP」戦略会議始まる

先日BOPのシンポジュウムで知り合いになった、東大博士課程のメンバーと日本のインターンという仕組みを創出した立役者のEITCのメンバーと初会合を行った。 博士課程の学生とはいっても、メンバーの出身は様々で、もと外資系コンサルティング出身、日本のシンクタンク出身、ETICの方も日本の大手メーカー出身などで、実務能力も高く、ばりばり仕事をこなす油が乗り切っている30代のメンバーたちばかりである。 会合の内容は、BOP(Base of the Pyramid:世界の残りの40億人)マーケットに対して、日本の中小製造業がもっているモノづくりの技術を生かした製品を、広めていくための方法としてどのような企画があり得るのかということだった。 ご承知のように、日本の製造業は非常に厳しい状態におかれている。 大手の製造業であれば、海外に工場を建て、現地の従業員を雇うことで、この円高はなんとか回避できる。 しかし体力のない中小企業に、いきなり海外へ行けといっても、それはハードルが高い上に、日本での雇用が確保出来ない。 日本の会社の99%を占める日本の中小製造業がすべて海外へ工場をシフトしたとなると、そこで失われる雇用機会の数を考えただけでもゾッとする。企業・住民税は下がりつづけ、失業者があふれ、町は荒廃するだろう。 メンバーディスカッションをしていく中で、各メンバーとも現状の日本の産業のおかれた環境に非常に危機感を感じていることがわかり、そこの部分では大いに共感した。 しかし、今回集まったメンバーは、実際にものをつくる主役の中小製造業の方々ではなく、あくまでも応援団や観客なのである。メンバーの中に主役の製造業の方がいない。そこで、このBOPに中小企業のマーケットがあるということを、製造業の方々にわかってもらうために、製造業とのネットワークの構築をを当社が提供するということになった。 日本の中小製造業の多くの方は、「BOP」という言葉さえ聞いたことが無い方がほとんどだろうと思われる。BOP世界の人口60億人のなかで世界経済の恩恵に浴している20億人の外にある、のこり40億人の市場のことである。 いま、日本の中小企業は全盛期のように、大手メーカーからの発注を期待して、雇用調整金を活用しながら従業員を確保し、なんとか経営を続けているところが多い。しかし...

「中小製造業」×「大学」×「BOP」

先日、東京大学の博士課程の学生が中心で企画をした BOPシンポジウム に参加した。 ある学生が、我々 enmono 社の活動をTwitter経由で発見し、直接DMで招待をいただいたのが、きっかけだった。 シンポジウムの内容は「BOP」: Base Of the Pyramid=世界経済の外にいる貧困層40億人を、日本の技術、大学の叡智を用いてより豊かな生活をできるようにするべきだということが趣旨であった。 シンポジウムにはMITの D-lab という、ハイテク&ローテクを使って、途上国の生活を改善させるプロジェクトからの参加もあり、世界のもっとも先駆的な事例を、英語プレゼンテーションでに聞く機会に恵まれた。 恥ずかしながら、このシンポジウムに参加するまでに、BOPという言葉さえ知らなかった。 そもそも、「技術」とは人間の生活をより豊かにするために存在するものであるのであるが、現在ではそれが経済的な価値として金銭的に儲かる、儲からないで判断され、儲かる技術は世界中に広まり、また、儲からない技術は企業や大学のなかに打ち捨てられている。 しかし、「技術」の本来の持つ意味からすれば、それがより良いものであれば、世界中に広めるべきであり、それにより人々の生活を豊かにするべきものである。 「技術というものを、どうしたら現在の経済システムの外にいる40億人に対して広く普及させ、人々の生活をどうやったら豊かに出来るのか?」というのが、わたしなりに理解した「BOP」の活動であった。 現在、BOPに対して様々な活動を行っているNPOやNGOまたは個人の殆どは、その活動の原資を企業からの寄付によっている。 しかしながら、BOPへの普及がビジネス的にきちんと回りさえすれば、世界経済のパイは40億人分だけ膨れ上り、貧困層の人々の生活は、これまでより、より安全に、健康に、そして豊かになるわけである。 仮に、BOPの人々にとって絶対必要不可欠な製品を開発し、一人から1円と同じ程度の売上を上げることができれば、40億円の売上につながる。 本シンポジウムで事例として上げられていたのは、人間には生きていく上で必要不可欠な「水」の清浄化に着目した、大阪の中小製造業の「 日本ポリグル株式会社 」である。同社、では、納豆に含まれているネバネバ成分に着目し、その成分を粉末化して 水...

スイス型モノづくりはこれからの日本のモノづくりのひとつのカタチ

本日、Twitter経由で知り合った、スイスの時計産業にくわしいライターの方と面談をした。 スイスの時計産業では、時計ベンチャーが、ボコボコと創業しているとのこと。 世界に中国製の安い製品が広まった反動なのだろう、富裕層はより高価なもの、価値のあるモノを求めるようになった。 有名な時計メーカの中で実力をつけた、「時計プロデューサー」たちが、独立し、そこにVCや銀行が資金を投下して、会社を立ち上げるという動きが起きているとのこと。 これこそ、まさに、当社の目指している、「 マイクロモノづくり 」である。 そのライターの方のご意見ではプロデューサーに必要な要素は、「 プロデューサーに求められる要素は三つだけ。モノが分かっていること(「知っている」ではない)、最終需要家の姿をちゃんと見ていること、そしてセルフプロデュースが上手いこと。これだけかなと思います。」ということである。 それにあえて、1つの要素を付け加えるとすると、「リスクを自ら背負う意志」だと思う。 わたしが、以前取材した「ユビタマゴ」の事例でも、窮地に追いやられた中小製造業の社長、自らが金型代金を負担し、販路を開拓するリスクを負って世に出した「ユビタマゴ」という美顔器が、大成功を収めた。 そこには、リスクを自ら負って、そのモノづくりを成功させるという、「意志」と「腑」が必要だと考えている。 スイスの時計は、時計プロデューサーがおり、そこに資本を投資する投資家がおり、モノづくりを支える高い技術をもつサプライヤーおり、そして、最後にもっとも重要なその時計を購入するユーザーがいる。 スイス型モノづくりは日本のモノづくり産業の今後をのひとつのカタチに成り得るとおもう。大量生産、大量消費の道をあきらめ、少量生産、高付加価値少量消費の道を作る。まさに マイクロモノづくり の思想だ。 しかし、日本のモノづくりと違い、スイス型モノづくりには大きなアドバンテージがある。それはすでに「スイスの時計」というブランドができあがっており、有名時計プロデューサーが新しい会社を起こし、その製品をリリースする段階で、世界中の販売エージェントが集まってくることだ。 スイスの時計産業では、すでに時計ディーラーという販売ルートが世界中にあり、製品の品質とセンスが良ければ、そのルートに乗せるだけ...

国内大企業はベンチャーの革新的技術を潰すが、海外から攻める手がある

つい2週間程前、また、素晴らしい技術を持つ企業に出会った。 兄弟お二方で経営をされている会社で、ある電子技術開発に特化したことをやっていらっしゃる会社だ。 お兄様は、年齢は70歳近いとお見受けした。弟のかたは、営業担当役員をつとめていらっしゃる。 社長であるお兄様が発明・開発されたその技術は、現在多くのかたが毎日恩恵を受けている、ある革新的な先端的な技術だ。 工学博士というお兄様は、我々が付いていけないような、最先端技術のことを延々とお話をされた。 その技術は、現在多くの大企業が開発で悩んでいることを、一発で解消してしまう、画期的な技術だが、これも多くの開発型ベンチャーと同じく、「実績はありますか?」攻撃で相手を消耗させ、採用を検討するふりをして「サンプルを出せ」、「データを出せ」と次々と情報を出させて、挙句の果てに、特許の迂回の道を見つけ、周辺特許を固め、そのベンチャーにクロスライセンスを要求するという戦略をとる。 大企業も企業であるから、自社のリソースのみで仕事を進めたいということは、わかるが、先に発明している発明者に対しての敬意の欠片もない。中小企業から持ち込まれた案件を盗み見て、あたかも自分の手柄のように特許を出しまくる。 そのようにして、多くのベンチャー企業の技術の芽を摘んでしまう。 幸いにして、この会社が発明した技術の一部を使った製品を大企業が大量に生産し普及させることに成功したのでかなりの特許料を得ることができのであろう。 この会社は、その得た特許料を使って、次世代の技術を開発し、ようやくそれに成功するところまできた。 しかし、日本と言う前例主義に凝り固まった世界では、なかなかその技術を受け入れてくれるところはない。 営業といっても弟さんが一人でやられているだけで、ハードルの高い日本の大企業への営業は時間もかかるし、体力も必要だ。そこで営業支援・資金調達で我々にお声がけをいただいたというカタチである。 当社としては、この会社の開発した技術はまさに「産業界を変えてしまう」ほどのインパクトがあるという結論に達し、全面的に支援をさせていただくことにした。 まずは、シリコンバレーに拠点を置くVCに対してアピールするところから開始する。本技術は、日本の中で大手企業を相手にして悶々と悩んでいるよりも、海外で高く評...

モノづくりのコアは「モノ」から「ソフトウェア」へ。そして、そこにある危機。

新しいモノづくりでは、間違いなく、ソフトウェアが重要になる。 先日、大手自動車メーカー出身の技術者の方とおはなしをしていた。 その方によると、高級車ではすでに組み込みソフトウェアのコード行数は1000万行を超えており、その数はますます増える傾向にあると。 おそらく2015年頃には、自動車の組込みソフトウェアの行数は1億行をこえるということ。 ↓ http://www.meti.go.jp/press/20100129002/20100129002-3.pdf この膨大なソフトウェアの品筆管理を、通常のモノづくりの品質管理工学とおなじと捉えて管理することはすでに限界がきているということであった。 1億行というような膨大な数のコードを人間の目でチェックするのはほぼ不可能に近く、品質管理をおこなうためのツールはいくつか開発されている。 しかしながら、今回の大手自動車メーカーのリコールの問題は、この組み込みソフトの品質管理手法と、完成後のチェック体制に問題があったといわれている。 すでに、先端のモノづくりの競争ポイントは、モノからソフトへシフトしつつある。 はたして、現在の伝統的な製造業の開発部長クラスの人間で、ソフトウェア開発出身の人間が何人いるのか疑問である。 伝統的な「モノ」の品質管理は数々体験している人間でも、組込みソフトウェアの品質管理はまったくことなる次元であり、現在の大手メーカーの組織構造上、「モノ」出身の開発者が部門の上位ポジションをを務める限り、今回のような問題が繰り返し起こる可能性がある。 やはり、実際に、大規模組込みソフトウェア開発をしてきた人間が、事業部長クラスにならない限りは、組込みソフトウェアの品質管理問題はまだまだ発生する可能性が大いになると考えるべきであろう。

「マイクロモノづくり事例」No.1~自ら製品開発を行い、自ら販路を作る ユビタマゴ~

昨日、我々が探し求めていた、理想的な「モノづくりプロデューサー」の活動を行っていらっしゃる会社を訪問した。 ミツワ株式会社 である。ミツワの三輪社長とは前の会社からのお付き合いである。 ミツワは化粧品会社向けの什器などをオーダーメードで製作していた。この会社は、もともとプラスチックの射出成形メーカーであった。大手の化粧品メーカーから依頼をもらい、製作をしてメーカーに納めるといった一般的な町工場であった。 しかしながら、リーマンショック後の不況の影響で、主力の化粧品などの什器の製作の仕事や、プラスチック射出成形の仕事は、受注はあっという間に減っていったと言う。 もともと、先代社長の次代から、『発明アイディを買う300人の社長』という本に掲載されるほど、一般の方や異業種でモノづくりしたいモノづくり起業家たちから、様々なアイディア商品の企画が持ち込まれる会社だった。 そんな中で、あるデザイン会社から整体師の方が考案した、マッサージやエステシャンの3本の指を再現した美顔器の試作の話が持ち込まれた。 当初の基本的な構造は現在出荷している製品とほぼ同じだが、残念ながら量産を前提としたモノづくりに適したデザインにはなっていなかった。そして苦労の末に、その試作品を仕上げ、納品をした。 しかしながら、その後、量産の話はでなかった。依頼者の整体師の方が、量産化するのに十分な資金を持ち合わせていなかったということが、理由だったと言う。 試作品納入後から、1年ほど連絡がなかった。しかし、多くの試作品が持ち込まれる中で、なぜか、この美顔器の試作品だけが、三輪社長の心の中でなんとなく気になっていた。そこで、整体師の方に、直接連絡をとり、量産化へ向けての説得を試みたという。問題は、発案者の整体師の方に開発資金が不足しているということだった。 そこで、三輪社長は決断を下す。設計費用・金型製作費用など全てミツワで負担をするので、製造と独占販売権を譲って欲しい、整体師の方には売れた分の中からロイアリティをお支払いをすると条件を提示した。 交渉の結果、製造・販売のリクスをミツワが負担することで、本製品の製品化が決定した。 しかしながら、実際に製品が出来上がってきても、販路を開拓するのも苦労の連続だったという。営業は三輪社長自らが、大手百貨店に持ち込み商談をおこ...

企業分割という手法、だが。。

財務超過に陥りながら、素晴らしい技術を持っている中小企業を救えないかということで、現在支援先の会社に関して、その分野にくわしい弁護士にコンタクトをとっている。 この企業分割という手法は、会社法が改正されたことから日本でもできるようになったが、まだ最先端の手法として、一般の弁護士事務所では二の足を踏むことが多いようだ。 実際、この件を相談したある弁護士事務所は、分割のスキームを電話で説明した段階で、対応出来ないと断ってきた。 それだけ、先端的な事例で、かつ株主からの訴訟などのリスクなどを検討した場合、会社分割を専門でおこなっているような事務所に依頼することが望ましいと考えている。 一般の司法書士でも対応出来るようだが、訴訟などのリーガルリスクなどを考えると、やはり弁護士事務所が望ましいと考えている。 問題は、債務超過に陥った会社には手元にキャッシュがないことである。 弁護士費用は決して安くはない、内容の複雑さによっては高級車1台分の弁護士費用が必要とされるケースもある。 そのようなコストをどこから捻出するのか、ということが今後の課題になるであろう。 その中小製造業の技術を高く評価し、その会社を再生させる価値があると判断した投資家などからの費用から捻出する方法、もしくは、今その会社が持っている資産を何らかの形でキャッシュに変えてそこから捻出する方法などが考えられるが、企業再生のためのコストをどこから捻出するか、それが今後の課題になる。 もし、投資家から企業再生に関わる費用に関しての支援を得られるようなスキームを完成させることができれば、それはenmono社の定番のスキームになることができると考える。 何事にしても、悩まず、常に前向きに考えていけば解決策は見つかると信じて前進だ。